誤飲が心配な方へ|ピンポン玉のプットイン課題DIY
「ビー玉は、誤飲の恐れがあるから厳しい」
放課後等デイサービスの職員さんから、そんな声が届きました。
口に入れてしまう可能性のある方がいると、直径16mmのビー玉は渡せません。これまで作ってきたプットイン課題は、すべてビー玉が前提でした。
そこで、ピンポン玉が転がるプットイン課題を作りました。玉の直径は約40mm。ビー玉の2.5倍です。
- 誤飲が心配で、既存の教材を使えなかった方
- 生活介護・放課後等デイサービスのスタッフさん
- ビー玉のプットイン課題をあきらめた方
- ピンポン玉サイズで作るときの設計の違い
- ビー玉版との使い分け
- 印刷サイズとコストの目安
ビー玉が使えない現場
これまで紹介してきたプットイン課題は、すべてビー玉を使うものでした。
(ビー玉版はこちら 👉 スパイラルプットイン課題の作り方)
ビー玉は100均で手に入り、サイズが均一で、設計もしやすい。プットイン課題の素材としては優秀です。
ただ、どの記事にも同じ注意書きを入れてきました。「誤飲の危険があるため、口に入れる可能性があるお子さんには使用しないでください」と。
この注意書きにあてはまるお子さんは、実際にいます。そして、そういうお子さんにこそ「見ていて楽しい教材」が必要です。
「大人が見守れば大丈夫」では、渡せる場面が限られます。そもそも口に入らない大きさにするほうが確実だと考えました。
なぜピンポン玉なのか
ピンポン玉の直径は約40mm。ビー玉(16mm)の2.5倍で、口に入れて飲み込める大きさではありません。
100均でも手に入ります。ダイソーの卓球ボールは6個入り。1個あたり20円ほどで、なくしても気になりません。

軽さも利点でした。1個3g前後しかないので、落としても投げても危なくありません。
⚠️ ただし「絶対に安全」とは言えません。強く噛むと割れて破片になります。ビー玉版と同じく、大人が見守れる環境で使ってください。
設計のポイント
今回の設計はこちら👇

ピンポン玉版で特に気をつけたのは、次の3点です。
① 玉が通る内径
ビー玉版は直径16mmの玉に内径18mm。同じ考え方で、直径40mmのピンポン玉は【内径44mm】にしました。
玉が大きくなるほど、わずかな引っかかりで止まります。内側の壁はなめらかに、継ぎ目が出ないように設計しました。

② 軽い玉を転がしきる
ピンポン玉はビー玉よりずっと軽く、勢いがつきにくい素材です。ビー玉と同じ傾斜では、途中で止まってしまいます。
そのため、らせんの傾斜はビー玉版より強めにしました。
※軽いぶん、転がる音は小さめです。音も楽しみたい場合は、ビー玉を使う音の出るスパイラルが向いています。
③ 大型プリントでも変形しにくい形状
ビー玉からピンポン玉に変更したことで、内径がΦ18→44㎜へと大幅に大きくなり、強度が下がり変形によりプリントが失敗に…

パイプ間の肉を厚くすることで、強度アップし完成しました。

印刷してみた

半透明のPLAフィラメントで印刷しました。中を転がるピンポン玉が外から透けて見えます。組み立ては不要で、そのまま使えます。
置き場所は100均のトレーです。出口から出たピンポン玉が転がっていかないよう、本体ごとトレーに載せて使っています。軽い玉なので、受け皿があるだけで拾い集める手間がかなり減りました。
💰 印刷コストとサイズ
- 外形サイズ:176 × 176 mm / 高さ 172 mm
- 材料費:760円/1セット(PLA 270g=540円 + ピンポン玉110円 + トレー110円)
- プリント時間:約20.5時間/1個
⚠️ 造形サイズが 176mm四方あります。造形範囲が180mm前後の小型機(Bambu Lab A1 mini など)ではぎりぎりのサイズなので、印刷前に確認してください。
使用したフィラメント PLA(半透明)
私が実際に使用しているフィラメントはこちら👇(Amazonで約2,000円)
3Dプリンターをこれから始めたい方は、こちらの記事も参考にしてください。

遊び方・使い方
基本の遊び方
上の穴からピンポン玉を入れる。それだけです。
くるくると回りながら落ちていく玉を、目で追います。
ビー玉より大きいぶん動きが見やすく、目で追いやすいのも利点でした。

応用
慣れてきたら、連続して何個入れられるか挑戦してみましょう。
※動画を準備中です。
ビー玉版との使い分け
どちらが良いということではなく、使う方によって向き不向きがあります。
| ビー玉版 | ピンポン玉版 | |
|---|---|---|
| 玉の大きさ | 直径16mm | 直径 約40mm |
| 誤飲のリスク | 口に入る大きさ | 口に入らない大きさ |
| 音 | 転がる音が鳴る | 小さめ |
| 本体サイズ | 小さく持ち運びやすい | 176mm四方・置き場所が要る |
| 向いている場面 | 大人が見守れる環境 | 口に入れる可能性がある方 |

この課題で育つ力
・玉の動きを目で追う力(視覚追跡)
・「入れる」動作の繰り返し(手の操作)
・集中して取り組む力
育つ力はビー玉版と同じです。変えたのは玉の大きさだけ。教材をあきらめるのではなく、使える形に作り直すという考え方でつくりました。
届けたときの反応
できあがったものを、もちの木園さんに持っていきました。
紙袋から出すと、さっそくピンポン玉を投入。くるくる回って下から出てくるのを見て、「すごーい!」という声をたくさんいただきました。
誤飲が心配で、これまでプットイン課題に触れられなかったお子さんにも、これなら楽しんでもらえそうです。
まとめ
・ピンポン玉(直径約40mm)なら、口に入る大きさではない
・ビー玉版を使えなかった方にも渡せる
・育つ力は同じ。変えたのは玉の大きさだけ
「危ないから使わない」ではなく、「使える形に作り直す」。サイズを変えるだけで対応できるのは、3Dプリンターの強みだと思います。






