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プットイン課題を手作り|転がりにくい円柱ピース

赤い円柱のピースが1から5の筒にちょうど入った写真と、赤・青・黄の3色の筒に同じ色のピースを入れている写真を組み合わせた、「数と色を合わせて入れる 転がりにくい円柱ピース」と書かれたアイキャッチ画像
作ってツナガル工房
記事内に商品プロモーションを含む場合があります

数を数えるプットイン課題は、ずっとビー玉で作ってきました。ただ、直径は16mm。口に入れる心配がある場面では使えません。

玉を大きくすればいい、とも限りませんでした。別に作ったピンポン玉の課題について、就労支援施設の職員さんから、転がるので使いづらいという話をいただいたからです。そこで今回は、大きさではなく形のほうを変えました。

作ったのは、直径33mm・高さ20mmの円柱のピースです。平らな面を下にして置けば、その場にとどまります。球のように、どの向きにも転がることはありません。

筒とリングのしくみは、そのまま残しています。変えたのは、ピースの形と、何個入ったかの見え方です。赤1色から始めて、慣れたら赤・青・黄の3色に広げられます。

3Dプリンターで作った円柱のプットイン課題。1から5の数字が書かれた5本の筒に赤いピースが入っている

ビー玉から始まった

数を数えるプットイン課題は、これまでずっとビー玉が前提でした。

ビー玉は100均で手に入り、大きさがそろっていて、設計もしやすい素材です。ただ、直径は16mm。口に入れる可能性のある方には渡せません。

この課題は、透明な筒の長さで「何個入れたか」が分かる仕組みです。筒にはめるリングに数字と●が書いてあり、いくつ入れるかを指示できます。

このしくみは残したまま、中に入れるものだけを替えたいと考えました。

ピンポン玉でも残った

玉を大きくする方向では、ピンポン玉版を作っています。直径は約40mm。ビー玉の2.5倍です。

⚠️ ただしピンポン玉版は、転がして遊ぶための課題です。数を数える課題ではありません。

そのあと、就労支援施設の職員さんから、転がるので使いづらいという話をいただきました。

机に置くと動きます。手から落ちると、床を転がっていきます。拾いに行く時間が増えて、課題の前後に手間が足されてしまいました。

大きさは変えられます。でも、丸い形はそのままでした。

丸から、円柱に変えた

入れるものを、直径33mm・高さ20mmの円柱にしました。3Dプリンターで印刷しています。

転がりにくい形にした

平らな面を下にして置いているあいだは、転がりません。直径33mmに対して高さ20mm。底が広くて背が低いので、立てた姿勢が安定します。

円柱の高さを比べた図。左は赤い円柱を平らな面を下にして置いた状態で、高さは20mm。右は同じ円柱を横に倒した状態で、高さは33mm。見出しは「直径より、背が低い」、下の帯に「背が低いぶん、立てた姿勢が安定します」と書かれている

球はどの向きにも転がりますが、円柱が転がるのは横に倒れたときの1方向だけです。机の上で動く範囲が、ぐっと狭くなりました。

何個入れたかが見える

同じ色を続けて入れると、境目が分かりません。3個入っているのか4個入っているのか、外から見ても数えられませんでした。

そこで、筒のほうに幅1mmの黒い線を入れました。別の部品を貼ったのではなく、印刷の途中で色を替えています。

透明な筒に入った円柱のピース。筒の黒い線で何個入っているかが分かる

線を1本こえるたびに1個で、いま何個入っているかが外から数えられます。

筒の黒い線で何個入ったかが分かることを示した図。左は線のない筒で、赤い円柱が3個入っているが境目が分からない。右は同じ筒に黒い線が2本入っていて、3個入っていることが分かる。下の帯に「3個用の筒には線が2本、5個用には線が4本」と書かれている

指で持てる厚さにした

プレートは厚さ25mmにしました。指でつまんで持ち上げられる厚さです。別の部屋で使いたいときに、立てたまま運べます。

厚さ25mmのプレートを両手でつまんで持ち上げているところ

筒にはめるリングは、前の記事のΦ46からΦ63×4mmに作り直しました。筒の外径Φ40に合わせたためです。

リングには数字と、その数だけの●を同じ面に書いています。数字で読む方にも、●を数える方にも、同じ1枚で指示を出せます。

1から5の数字と、同じ数の黒い丸が書かれた赤いリング5枚

あえて残した動き

筒にピースを入れると、空気が抜けにくく、ゆっくり落ちていきます。

速くするなら、穴を開けるか、側面に溝を足す方法があります。

でも、ここは変えませんでした。入れたピースが、ゆっくり落ちていく。その待つ時間ごと、この課題に残しておきたいと思ったからです。

使い方は、赤1色から

はじめは、赤1色だけ

最初に用意したのは、赤いピース15個です。1個用から5個用まで、筒5本をちょうど埋められる数にしました。

3色そろえてから渡すこともできました。ただ、それだと色と数の両方を、いちどに見ることになります。

だから、まずは赤だけ。見るところは「何個入れるか」の1つになります。増やすのではなく、いったん減らしたところから始めます。

赤い円柱のピース15個を並べた状態。筒は空で、1から5の数字リングがついている

慣れたら、赤・青・黄の3色に

色を足すと、「指示された色を、指示された数だけ入れる」課題になります。

リングも赤・青・黄の3色を用意しました。リングの色が、入れるピースの色です。「2番の筒に、黄色を2個」を、言葉を足さずに置くだけで伝えられます。

青と黄は7個ずつにしました。5個ずつだと、組み合わせが限られたためです。

赤・青・黄の3色の円柱ピースを、同じ色のリングがついた筒に入れていく課題

作り方

円柱プットイン課題の全部品を並べた写真。赤・青・黄のリングが1〜5で15枚、白いプレート1枚、1個用から5個用までの筒5本、円柱のピース29個(赤15・青7・黄7)で合計50点

設計は FreeCAD で行いました。

材料と費用

重さ費用
プレート(白)70g140円
ピース 赤15個95g190円
ピース 青7個45g90円
ピース 黄7個45g90円
リング(赤・青・黄×1〜5)66g132円
筒(1個用〜5個用)50g100円
合計371g742円

※ PLA 1gあたり2.0円で計算しています。

ビー玉もピンポン玉も使わないので、印刷するだけでそろいます。

使用したフィラメント PLA(赤・青・黄色・透明・黒・白)

今回の部品はすべてPLAフィラメントで作っています。扱いやすく失敗しにくいので、初心者の方にもおすすめです。

私が実際に使用しているフィラメントはこちら👇(Amazonで約2,000円)

印刷時間

時間
プレート(白)1時間50分
ピース 赤2時間40分
ピース 青1時間20分
ピース 黄1時間20分
リング(赤・青・黄×1〜5)2時間36分
筒(1個用〜5個用)2時間
合計11時間46分

色を替えるために手を入れるのは11回、合わせて約33分でした(リング3回・筒8回)。印刷そのものは待っているだけですが、ここだけは手が要ります。

サイズ

ピースΦ33 × 高さ20mm
筒外径Φ40・5種類(20mm刻み=1個用〜5個用)。ピース1個分ごとに幅1mmの黒い線
リングΦ63 × 4mm・赤青黄×1〜5の15枚
プレートW226 × D46 × 厚さ25mm・5レーン

ピースの大きさと玩具の基準

3歳未満向けの玩具には、小さな部品を使えないことになっています。基準は、内径31.7mmの筒に丸ごと入るかどうかです。

このピースは直径33mmなので、この筒には入りません。(出典:経済産業省)

【対象年齢】3歳以上。3歳未満のお子さんには渡さず、大人が見守れる場面で使ってください。

ビー玉版との使い分け

ビー玉版円柱版(この記事)
入れるもの直径16mmのビー玉Φ33×高さ20mmの円柱
置いたときどの向きにも転がる平らな面を下にすれば、とどまる
何個入れたか筒の長さで分かる筒の長さ+黒い線で1個ずつ分かる
買う物ビー玉なし(全部印刷)
本体サイズ小さいW226 × D46

まとめ

  • 円柱にしたら、平らな面を下にして置くあいだは、その場にとどまるようになりました
  • 筒に入れた幅1mmの黒い線で、何個入れたかが見えるようになりました
  • 赤1色から始めて、慣れたら赤・青・黄の3色に広げられます

玉の大きさを変える方法から、形そのものを変える方法に切り替えました。同じしくみのまま、中身だけ入れ替えられるのは、3Dプリンターでよかったところだと思います。

作る時間がない方へ
同じものを作り置きして販売しています。BASE(作ってツナガル工房)からどうぞ。

施設でグッズづくりが間に合わない方へ
「うちの事業所でも3Dプリンターを入れられますか」と聞かれることが増えました。何が作れて何が作れないか、材料費と印刷時間の実測値をまとめています👇

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ひろ|作ってツナガル工房
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現場の「困った」をカタチにする工房主
福祉現場と家庭の「困った」を、手作りで解決するDIYを発信中。100均素材と3Dプリンターで、誰でも作れる実用グッズを紹介しています。
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