3Dプリンター入門|フィラメント選びとスライサー設定の基本
3Dプリンターを始めたばかりのとき、
・どのフィラメントを選べばいいの?
・スライサー設定はどうすればいいの?
と悩んだことはありませんか?
この2つは、初心者が最初につまずきやすいポイントです。
この記事では、実際の使用経験をもとに、
・初心者でも迷わないフィラメントの選び方
・スライサー設定の基本
をわかりやすく解説します。
この記事を読めば、「とりあえずこれでOK」という基準がわかり、失敗を減らしながら3Dプリンターを楽しめるようになります。
フィラメントの種類と特徴
| 種類 | 特徴 | おすすめ用途 | 初心者向け |
|---|---|---|---|
| PLA | 失敗が少ない・においが少ない・扱いやすい・原材料は植物性 | 室内用の小物・試作品 | ◎ |
| PETG | しなりがある・強度がある・折れにくい | 耐久性が必要なパーツ・実用部品 | ○ |
| TPU | やわらかい・ゴムのような質感・印刷速度を遅くする必要あり | クッション・滑り止め・柔軟パーツ | △ |
| ABS | 耐久性がある・屋外向け・反りやすい | 屋外使用・強度が必要な部品 | △ |
用途別フィラメント選びチャート
「結局どれを使えばいいの?」を作例ベースで一気に整理しました。
当ブログで実際に作った作品を、用途別にどのフィラメントが向くかでまとめています。
迷ったら、近い用途の作例で使ったフィラメントを真似するのが一番の近道です。
| 材料 | 用途・作例 |
|---|---|
| PLA | 室内・小物・知育 ティッシュホルダー / スマホスタンド / タブレットスタンド / 缶ホルダー / カード仕切り / カードバトル / キャップシューター / 輪ゴム銃 / バトルコマ |
| PETG | 修理・整理・治具(強度重視) トランポリン補強 / ケーブルラック / スパナ収納 / ケーブルホルダー / カーテンレール修復 / 集中ワーク教材 / 袋詰め治具 / ハサミ落下防止 / パーティション |
| TPU | 柔らか・ゴム質感 型はめパズル / オクラサンプル / みかんサンプル / ナスサンプル |
室内用途であればほぼPLAで完結します。
落としても割れにくい強度や屋外設置が必要な場合だけPETGを選ぶ、という考え方でOKです。
初心者におすすめのフィラメント
初心者にはPLAフィラメントがおすすめです。
PLAフィラメントは、3Dプリンターの中でも最も扱いやすく、失敗しにくい素材として広く使われています。
その理由は大きく3つあります。
- 反りにくく、造形が安定しやすい
- においが少なく、室内でも使いやすい
- 初期設定で失敗しにくい
特に、初めて3Dプリンターを使う方は「うまくプリントできない」という失敗をしやすいため、まずは成功体験を得やすいPLAから始めるのが安心です。
一方で、用途によっては他のフィラメントが向いている場合もあります。
- しなりや強度が必要 → PETG
- 柔らかいパーツ → TPU
- 屋外で使うもの → ABS
このように、「まずはPLAで基本を覚え、必要に応じて他の素材に挑戦する」という流れがおすすめです。
愛用フィラメント3選
まずは初心者におすすめのPLA
PLA(ELEGOO)迷ったらコレ!
一番よく使用します。強度や柔軟性が要らないもの、お試しプリントはPLAがおすすめ。大量にプリントする方は、まとめ買いがお得。
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4個セットで約7,000円(まとめ買いがお得)
- はじめての3Dプリント
- 試作品・小物づくり
- 失敗したくないプリント
こんなプリントにおすすめ
PETG(ELEGOO)
しなりや割れにくさが必要ならPETG。設定温度がPLAより少し高いくらいで、PLAの次に簡単だと思います。
Amazonで約2,000円
4個セットで約7,000円
- ケースのフタ・ヒンジなど曲げに強いパーツ
- PLAに慣れてきた方
こんなプリントにおすすめ
TPU(SainSmart)
ゴムのような柔らかさが必要ならTPU。PLAやPETGに比べ少し値段は高いですが、野菜サンプルなど柔らかさが欲しいプリントにピッタリ。
Amazonで約3,500円
- 滑り止め・クッション・柔軟パーツ
- 支援道具・知育グッズに柔らかい素材を使いたい方
こんなプリントにおすすめ
おすすめ 3Dプリンター
私が実際に使っている Bambu A1 mini はこちら👇組み立てほぼ不要、初心者でもすぐ使えます。(Amazonで約4万円/セール時は約3万円)
おすすめ 設計・スライサーソフト
※ダウンロードは公式サイトから行えます。
※ソフトの利用規約に沿ってご利用ください。
💡導入方法から基本操作までYouTubeにたくさんの解説動画があるので、初心者の方でも安心して始められます。
設計ソフト:おすすめ無料ソフト
- Autodesk Fusion360(無償体験版)
直感的でわかりやすく、おすすめです。 - FreeCAD

スライサーソフト:プリンターに合わせる
スライサーはプリンターのメーカーに合わせて選びましょう(Bambu系→Bambu Studio / Creality系→Creality Print)

スライサー設定の基本
スライサーソフトには数十項目の設定がありますが、初心者がまず触るのはたった4つです。
これさえ押さえれば、ほとんどの造形は安定します。
① ノズル温度 — フィラメント別の目安
| フィラメント | ノズル温度 | ベッド温度 |
|---|---|---|
| PLA | 200〜220℃ | 50〜60℃ |
| PETG | 230〜250℃ | 70〜80℃ |
| TPU | 220〜235℃ | 40〜50℃ |
| ABS | 230〜250℃ | 90〜110℃ |
メーカー推奨値(フィラメントの箱に記載)から始めて、
定着が悪ければ +5℃、糸引きが目立てば -5℃、と少しずつ調整していきます。
② 初期レイヤー高さ — 失敗の8割はここ
1層目の厚さは0.20〜0.24mmが無難です。
薄すぎるとノズルがプレートを擦って造形物がつぶれ、
厚すぎると線が浮いて定着しません。
Bambu系(A1 mini など)は自動キャリブレーションで概ね最適化されますが、
それでも定着しない場合は「初期レイヤー高さ」を 0.02mm ずつ増やすのが第一手です。
③ 流量(フロー)と線幅
初期レイヤーだけ流量 105〜110%、線幅 0.42〜0.45mm(標準0.4mmノズル時)に上げると、定着が劇的に安定します。
本体レイヤーまで上げる必要はなく、初期レイヤー専用の設定で十分です。
④ ブリム・ラフトの使いどころ
ブリムは造形物の周囲に薄い「つば」を付ける機能。接地面が小さい・縦長・端が反りやすい形状に有効です(幅3〜5mmで十分)。
ラフトは下に台を作る機能で、プレートとの相性が悪い素材(ABSなど)や極端に小さい造形に使います。PLAではほぼ不要です。
この4項目を押さえても定着しない場合は、次の「よくある失敗」セクションで症状別の対処を確認してください。
よくある失敗と対策
スライサーはまず初期設定で一度プリントし、状態に合わせて微調整すると良いでしょう。
初期レイヤーがビルドプレートへ定着しない
(上から順番に実施)
①ビルドプレートの清掃・脱脂
ビルドプレートを手で触ると汚れや油分が付いて、フィラメントの定着が悪くなります。
②1層目高さ:0.2㎜→0.18㎜と下げる。
最初のレイヤーが少し潰れるくらいに設定しましょう。
③ビルドプレート温度(1層目):基本設定より高めにする。
④線幅(1層目):0.5㎜→0.55㎜と太くする。
⑤流量比:1→1.05と大きくする。
造形物の端が浮く・はがれる
①ビルドプレートの清掃・脱脂
ビルドプレートを手で触ると汚れや油分が付いて、フィラメントの定着が悪くなります。
②ブリム(接着面を広くする)や、ラフト(接着面に土台を付ける)を追加。
③ビルドプレート温度(他の層):基本設定より高めにする。
④1層目高さ:0.2㎜→0.18㎜と下げる。
⑤線幅(1層目):0.5㎜→0.55㎜と太くする。
⑥流量比:1→1.05と大きくする。
初期レイヤーがノズルにくっ付いてしまう
①ノズルの清掃
②1層目高さ:0.2㎜→0.22㎜と大きくする。
近すぎるのが原因。少しノズルを離す方向に調整しましょう。
(細い/高い)造形物がはがれる
①ブリム(接着面を広くする)や、ラフト(接着面に土台を付ける)を追加。
②スピードを落として振動を減らす。
③1層目高さ:0.2㎜→0.18㎜と下げる。
細い形状、ノズルの熱で形状が崩れる
・細い形状の時、高温のノズルがプリント品の近くにずっと滞在すると、熱でフィラメントが固まらず、成形が上手くいかないことがあります。
①冷却ファンの風量を上げる。
②印刷速度を落として各レイヤーの冷却時間を確保する。
③2個以上同時にプリントし、移動により冷却時間を確保する。
よくある質問(FAQ)
Q. 初めてのフィラメントは何が良い?
A. ELEGOO PLAが最もおすすめです。反りにくく失敗が少なく、価格も手頃。初めての成功体験を積みやすい素材です。
Q. スライサーソフトは無料で使える?
A. はい、無料です。Bambu系にはBambu Studio、Creality系にはCreality Printが最適です。
Q. PLAとPETGはどう使い分ける?
A. 室内・装飾・小物はPLA、屋外・水回り・耐熱が必要ならPETG が基本です。
PLAは60℃前後で柔らかくなるため、夏場の車内や直射日光下では変形します。
それ以外の用途なら、PLAが扱いやすく十分な強度です。
Q. TPUは初心者でも扱える?
A. PLAでひと通り成功体験を積んでからの方が無難です。
TPUは柔らかい分、印刷速度を 20〜30mm/s 程度まで落とす必要があり、
Bowdenタイプ(チューブ送り)の機種では送り出し詰まりも起きやすい素材です。
Bambu A1 mini のようなダイレクト式なら扱いやすいので、まずはそちらをおすすめします。
まとめ|迷ったらコレでOK
3Dプリンター初心者がつまずきやすい「フィラメント選び」と「スライサー設定」ですが、まずは基本を押さえることで失敗を大きく減らすことができます。
特にフィラメントは、PLAを選べば安定して印刷しやすく、最初の一歩として安心です。
また、スライサー設定も細かく調整する前に、まずは基本設定で「しっかり出力できる状態」を作ることが大切です。
今回のポイントをまとめると👇
- 初心者はまずPLAフィラメントから始める
- 設定はシンプルな基本設定でOK
- 慣れてきたら用途に応じて素材を変える
最初はうまくいかないこともありますが、原因の多くはフィラメントと設定の組み合わせです。
この記事の内容をベースに調整していけば、安定して印刷できるようになります。
👉迷ったら「PLA × 基本設定」でOK。
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