数と色のペグ差し課題DIY|3Dプリンターで作る療育ワーク
「利用者さんの難易度に合わせられる、新しいワークを作れませんか?」
いつもお世話になっている、もちの木園さんからそんな追加のご依頼をいただきました。
以前製作した集中ワーク教材は、ピンを「形に合わせて差し込む」ものでした。今回はそこから一歩進めて、数字ピースの色と数字を見て、同じ色のペグを同じ数だけ差し込む——「数」と「色」の対応を学べるワークを製作しました。

📌 こんな方におすすめ
- 就労支援・放課後等デイサービスのスタッフさん
- ペグ差し課題を手作りしたい方
- 数の学習教材を探している方
📌 この記事でわかること
- 数と色のペグ差し課題の作り方と使い方
- 難易度を自由に調整できる設計のポイント
きっかけは追加のご依頼
以前、もちの木園さんに導入した集中ワーク教材(ピンの差し込みワーク)は、繰り返し取り組める課題として使っていただいています。
前作はこちら👉 集中ワーク教材の作り方|3Dプリンター×福祉現場のDIY
今回のご依頼は「利用者さんの難易度に合わせて調整できるワーク」。職員さんには「色と数を使った課題にしたい」というイメージがありました。そこで、色と数字の組み合わせを職員さんが自由に設定できる仕組みを考えました。
どんなワーク?
ルールはシンプルです。
- 職員さんが、ボード左側の溝に数字ピースをセットする
- 利用者さんは、数字ピースと同じ色のペグを、数字と同じ数だけその列に差し込む


数字ピースは5色×1〜5の計25枚。どの色のどの数字をセットするかで、課題の内容が毎回変わります。
「赤だけで1〜5を順番に」「全色バラバラの数字で」など、利用者さんの理解度に合わせて職員さんが自由に問題を作れるのが、このワークの一番の特徴です。

設計のポイント
① ペグ径は12mmに
握りやすく、穴にスッと入る太さを目指して、ペグの直径は12mmにしました。細かい操作が苦手な方でも扱いやすいサイズです。

② 数字ピースは溝で固定
数字ピースはボードの溝にカチッとはまる設計です。作業中の振動でもズレないので、利用者さんが混乱せず課題に集中できます。

③ 収納ボックス一体型
ボードの横に、ペグと数字ピースをまとめて入れられる収納ボックスを一体化しました。「出す→取り組む→片づける」まで、この1台で完結します。

また、ボードの向きを変えて数字ピースをはめ直すだけで、右利き・左利きのどちらにも対応できます。例えば右利きの方は、数字ピースが左側に来る向きで置きます。ペグを差す右手が数字の上を通らないので、作業中もお手本の数字がずっと見えます。左利きの方は、その逆向きにしてください。
印刷してみた
ボードは白のPLAフィラメント、ペグと数字ピースは赤・青・黄・緑・黒の5色で印刷しました。

💰 印刷コストの目安
- 材料費: 約1,000円/1セット(ボード+ペグ+数字ピース25枚)
- プリント時間: 約19時間/1セット
ボードが大きいため印刷時間は長めですが、その分、現場でそのまま使える一体型に仕上がっています。
私が実際に使っているPLAフィラメントはこちら👇(Amazonで約2,000円)
使い方と難易度調整
利用者さんの段階に合わせて、課題の難しさを変えられます。
| レベル | セットする数字ピース | ねらい |
|---|---|---|
| レベル1 | 1色だけ・数字は1〜3 | 色合わせと少ない数から |
| レベル2 | 2〜3色・数字ランダム | 色と数の対応を意識する |
| レベル3 | 5色すべて・数字ランダム | 色×数の同時処理に挑戦 |
応用: ペグを数えて数字を選ぶ
慣れてきたら、逆のパターンもおすすめです。職員さんが先にペグを差しておき、利用者さんがペグの数を数えて、合う数字ピースを溝にはめる遊び方です。
「数字を見てペグを入れる」が数字→個数の練習なら、こちらは個数→数字。自分で数えて答えを選ぶ、一歩進んだ課題になります。1台で両方向の練習ができます。

この課題で育つ力:
- 色を見分ける力
- 数字と個数を結びつける力(計数)
- 指先の操作と目と手の協応
- 「全部できた!」の達成感と集中力
まとめ
- 数字ピースの色と数に合わせてペグを差す、新しいペグ差し課題
- 数字ピースの組み合わせで難易度を自由に調整できる
- 現場の「利用者さんに合わせたい」という声から生まれた設計
もちの木園さんへのお届けと現場での反応は、後日この記事に追記します。
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