支援グッズDIY

集中ワーク教材の作り方|3Dプリンター×福祉現場のDIY

大きさ・色を改善したワーク教材の写真
作ってツナガル工房

福祉現場で「利用者さんが手軽に集中できるワークがほしい」と感じたことはありませんか?

発達障害のある方への支援では、短時間でも取り組みやすく、成功体験につながる教材が重要です。
しかし、市販教材は高額なものも多く、利用者さんによって合う・合わないもあるため、気軽に試しにくいのが現実です。

そこで今回は、福祉施設の職員さんの声から生まれた「集中できるワーク教材」を、3Dプリンターで低コストに自作する方法をご紹介します。

一度データを作成すれば繰り返し印刷でき、サイズ調整も可能。現場ですぐ使え、継続的な支援にも活用できる実用的なツールです。

📌 この記事でわかること

福祉現場で求められる「集中できるワーク」とは?

福祉現場で求められる「集中できるワーク」とは、長時間取り組む課題ではなく、短時間でも達成感を得られる活動です。

発達障害のある方の支援では、「わかりやすい」「見通しが立つ」「終わりが明確」という要素が、安心して取り組むための重要なポイントになります。特に、視覚的に理解しやすい教材や、繰り返し練習できる課題は、集中力を引き出しやすい傾向があります。

また、成功体験を積み重ねることで、自己肯定感や次の活動への意欲につながることも少なくありません。だからこそ、現場では“すぐに取り組めて、無理なく続けられるワーク”が求められているのです。

しかし、そのような条件を満たす教材を、すべて市販でそろえるのは簡単ではありません。

市販教材が試しにくい理由

市販教材には、すぐに使えるというメリットがあります。しかし、福祉現場では「購入して終わり」にはなりません。

例えば、

  • 利用者さん一人ひとりの特性に合わせた難易度調整が難しい
  • サイズや色を細かく変更できない
  • 破損や紛失があると再購入が必要になる
  • 複数人分そろえると予算負担が大きい

といった課題があります。

さらに、実際に使ってみないと「本当に集中できるか」は分かりません。合わなかった場合、その教材は活用されにくくなってしまいます。

そのため、現場では「まずは気軽に試せる教材」が求められているのです。

3Dプリンターなら低コストで、利用者さんに合わせた教材を作れる

3Dプリンターの最大の強みは、「現場に合わせて調整できること」です。

例えば、

  • サイズを大きくして持ちやすくする
  • パーツ数を減らして難易度を下げる
  • 色を変えて視覚的に分かりやすくする
  • 段階的にレベルアップできる設計にする

といった調整が可能です。

一度データを作れば、破損してもすぐに再印刷でき、複数人分をそろえることも難しくありません。市販教材のように「完成品を買う」のではなく、支援の目的に合わせてカスタマイズできる点が、大きな違いです。

こうした柔軟性があるからこそ、福祉現場での活用の幅が広がります。

3Dプリンターで作る、集中ワーク教材の写真

集中ワーク教材に必要な機材と材料

3Dプリンターで教材を作ると聞くと、「専門的で難しそう」と感じる方もいるかもしれません。しかし、必要なものは意外とシンプルです。

基本的に用意するのは、

  • 3Dプリンター本体
  • フィラメント(今回はPLAを使用)
  • 設計ソフト
  • スライサーソフト

の4つです。

今回使用したのは、扱いやすく初心者にも向いているPLAフィラメントです。強度も十分で、日常的な支援ツールとして安心して使用できます。

また、設計ソフトやスライサーソフトは無料で使えるものも多く、初期費用を抑えて始められる点も大きなメリットです。

「特別な設備がないと作れない」というものではなく、環境さえ整えば誰でも挑戦できる支援ツールづくりです。

3Dプリンター

私が実際に使っている Bambu A1 mini はこちら👇組み立てほぼ不要、初心者でもすぐ使えます。(Amazonで約4万円/セール時は約3万円)

PLAフィラメント(ELEGOO)

今回の部品はすべてPLAフィラメントで出力しています。扱いやすく失敗しにくいので、初心者の方にもおすすめです
私が実際に使っているPLAフィラメントはこちら👇(Amazonで約2,000円)

おすすめ設計ソフト、スライサーソフトの選び方

おすすめ設計ソフト、スライサーソフトの選び方
3Dプリンター入門|フィラメント選びとスライサー設定の基本
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集中ワーク教材の作りかた

設計手順とポイント

  1. まずは基準となる形を作ります。
  2. 差し込みピンは〇△□の3種を設計。必要に応じて星型やハート形など増やせます。
  3. ピンと穴の大きさが同じだと、ピンがはいらないので、ピンより穴を0.2~3㎜大きくします。
  4. トレイは差し込む穴と、ピンを置く場所を一緒に設置、持ち運びや使い勝手を向上。
  5. ピンの数は5×5列で25個としました。
  6. 大きさ:ピンはΦ8 x 30㎜
        トレーは縦80 x 横150 x 高さ17㎜
  7. 利用者さんの反応を見ながら、大きさや形状、ピンの数を調整していきます。
集中ワーク教材のCAD図

スライサー設定とポイント

まず初期設定で一度プリントし、状況に合わせて調整しましょう👇

スライサー設定はこちら
3Dプリンター入門|フィラメント選びとスライサー設定の基本
3Dプリンター入門|フィラメント選びとスライサー設定の基本

💰 印刷コストの目安

  • 材料費:約200円/1セット
  • プリント時間:約4時間/1セット

🎁 集中ワーク教材のSTLデータ無料配布

👉トレイ(8mm)
👉丸ピン(8mm)
👉三角ピン(8mm)
👉四角ピン(8mm)

※個人利用の範囲でご自由にお使いください。
※再配布・商用利用はご遠慮ください。

使ってみた現場の反応と効果

利用者さんの反応も良好で

・5分以上継続して取り組めた
形の識別がスムーズになった
「もう1回やる」と自発的に言えた

3Dプリンターで作る、集中ワーク教材の写真

【追加Ver.】大きい・カラフルなタイプ

さらに利用者さんに合わせて、大きさを変更したり、色を追加しました。

大型3色

・トレーの大きさ:縦170㎜ x 横300㎜(トレーは2部品をボルトで連結)
・ピンの大きさ:12㎜(64個)
・ピンの色:3色(丸⇨青色、三角⇨黄色、四角⇨赤色)
・難易度:ピンが3色なので、比較的簡単に探すことができます👇

集中ワーク(64ピン、3色タイプ)
  • 材料費:約1100円/1セット
  • プリント時間:約19時間/1セット

大型5色

・トレーの大きさ:縦170㎜ x 横300㎜(トレーは2部品をボルトで連結)
・ピンの大きさ:12㎜(64個)
・ピンの色:5色(丸⇨青色、三角⇨黄色、四角⇨赤色、五角⇨白色、ダイヤ⇨緑色)
・難易度:ピンが5色に増え、少し難しくなってます👇

集中ワーク(64ピン、5色タイプ)の写真
  • 材料費:約1100円/1セット
  • プリント時間:約19時間/1セット

大型10色

・トレーの大きさ:縦170㎜ x 横300㎜(トレーは2部品をボルトで連結)
・ピンの大きさ:10㎜(100個)
・ピンの色:5色(丸⇨青色、三角⇨黄色、四角⇨赤色、五角⇨白色、ダイヤ⇨緑色、長方形⇨黒色、T型⇨オレンジ、コの字⇨グレー、十字⇨クリーム、L型⇨ピンク)
難易度:色を10色に増やし、非対称な形状や向き・裏表に注意が必要なピースも加えて、難易度を上げました👇

集中ワーク(100ピン、10色タイプ)の写真
  • 材料費:約1200円/1セット
  • プリント時間:約24時間/1セット

手作りワーク教材と市販品の比較

比較項目手作り(3Dプリンター)市販教材
コスト(初期+運用)数百円
・破損時も再印刷でき、長期的に低コスト
数千円〜1万円以上
・破損時は再購入が必要
カスタマイズ性・個別対応・サイズ・形・難易度を自由に調整可能
・段階的な難易度設計が可能
・基本仕様は固定
・商品の範囲内での運用
導入スピード・設計・印刷の時間(半日~1日)が必要・購入後すぐ使える
量産のしやすさ・データがあれば複数作成可能・人数分購入が必要
選び方コストを抑えたい方
・利用者さんに合わせて調整したい方
購入して直ぐに試したい方

購入してすぐ試したい方は、市販教材もチェックしてみてください👇

集中ワーク教材の作り方3Dプリンター×福祉現場のDIYの参考画像5
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集中ワーク教材の作り方3Dプリンター×福祉現場のDIYの参考画像8

小さいお子さんには、こちらもおすすめです。

集中ワーク教材の作り方3Dプリンター×福祉現場のDIYの参考画像9集中ワーク教材の作り方3Dプリンター×福祉現場のDIYの参考画像10

作ってツナガル工房では、日々の「困りごと」を解決するアイデアを発信しています。
みなさんのリクエストも大歓迎です!

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プロフィール
ひろ|作ってツナガル工房
ひろ|作ってツナガル工房
作る×支援の工房主
福祉現場と家庭の「困った」を、手作りで解決するDIYを発信中。100均素材と3Dプリンターで、誰でも作れる実用グッズを紹介しています。
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