福祉施設の作業現場で、「ハサミを机の上に置いておいてほしいのに、いつの間にか持って行かれてしまう…」そんな困りごとはありませんか?
実はこれ、利用者さんが悪気なく“手に持っていることを忘れてしまう”ことが原因の場合も多くあります。
つまり大切なのは、単に固定することではなく「気づきを与えて、防止する仕組み」だと感じました。
そこで今回は、福祉現場からの依頼をもとに作った「気づけるハサミ持ち出し防止ストラップDIY」を紹介します。
100均クランプタイプと、3Dプリント金具タイプの2種類を試作し、どちらも安価な材料で作れるよう工夫しました。
この記事では、使った材料や作り方、実際に使ってみた感想、安全面のポイントまで詳しく解説します。
高価な専用品がなくても、現場の困りごとは“気づきを生む工夫”で改善できます。
1. ハサミが持ち出されてしまう本当の理由
福祉施設の作業現場で、
「ハサミを机の上に置いておいてほしいのに、いつの間にか持って行かれてしまう」
そんな困りごとはよくあります。
ですが実際には、利用者さんが“悪気なく”持って行っているケースがほとんどです。
作業に集中しているうちに、
- 手に持っていることを忘れる
- そのまま次の場所へ移動してしまう
という流れが起きています。
つまり問題の本質は
「持ち出してしまう」ではなく「気づくきっかけがない」
という点だと感じました。
2. 固定ではなく“気づきを与える”という考え方
今回のDIYで大切にしたのは、
「ガチガチに固定すること」ではありません。
目的は、
👉 利用者さん自身が
「引っ張られて、あ、持ってる」
と気づけること。
そのため、
- 完全拘束しない
- 強く引っ張られても安全
- 違和感で“気づき”が生まれる
この3点を意識して仕組みを考えました。
“止める”のではなく
“気づかせる”
これが、この机固定ストラップDIYのコンセプトです。
3. 100均クランプタイプ|材料と作り方
まずは、100均材料のみでできるタイプを紹介します。
最大のメリットは、「加工なしですぐ使える」こと!
※材料の目安:330円(100均x3点)

作り方は、
- ハサミにスプリングキーホルダーを取り付ける
- スプリングキーホルダーにネックストラップを取り付ける
- ネックストラップを机側(クランプ)に固定する
これだけです。
4. 3Dプリント金具タイプ|材料と作り方
こちらのメリットは、
・机の構造に合わせて固定できる
・目立たず、安全に設置できる こと
※材料の目安:230円(100均x2点、プリント材料費10円)

こちらも作り方は、
- ハサミにスプリングキーホルダーを取り付ける
- スプリングキーホルダーにネックストラップを取り付ける
- ネックストラップを机側(3Dプリント金具)に固定する
これだけです。
ここからは、3Dプリンターの説明をします。
▶ 3Dプリンター、フィラメント
■フィラメントについて(選び方の参考)
PLA:安価で扱いやすい。日常使用には十分
TPU:やわらかく、柔軟性がある
PETG:強度と柔軟性あり、長期使用おすすめ
ABS:耐熱性に優れるが、反りやすく難しい
▶ 設計・スライス用ソフト
※ダウンロードは公式サイトから行えます。
※ソフトの利用規約に沿ってご利用ください。
💡個人的にはFusion360の方が直感的でわかりやすく、おすすめです。
💡導入方法から基本操作まで、
YouTubeにたくさんの解説動画があるので、
初心者の方でも問題なく始められます。

▶ 設計手順とポイント
- ストラップを取り付けたい机のサイズに合わせて、固定用の取付穴を設計
- ネックストラップを取り付ける穴を設計
※今後ストラップを追加できるよう、穴を2つ開けています。

▶ スライサー設定とポイント(Banbu Studio)
スライサーは、まず初期設定で一度プリントし、状態に合わせて微調整すると良いでしょう。
・PETG造形物が剥がれてしまう場合の対処法
💰 印刷コストの目安
5. スプリングキーホルダーが肝|伸び縮みで安全+気づきを生む仕組み
このDIYのいちばん大事なポイントは
伸び縮みする「スプリングキーホルダー」です。
もし普通の紐だけだった場合、
- 強く引っ張られて切れる
- 急に止まってケガをする
といったリスクがあります。
そこで、あえて伸びるスプリングキーホルダーを入れました。
これにより、
✅ 引っ張られると“違和感”が出る
✅ クッションになるので安全
✅ 利用者さんが自分で気づける
という効果があります。
「引っ張られて止める」のではなく、
「伸びて気づかせる」イメージです。
6. 実際に使ってみた感想と安全面での配慮
実際に現場で試してみると、
- ハサミの持ち出しが減った
- 職員さんが探す時間が減った
- 利用者さん自身が気づく場面が増えた
という変化がありました。
高価な専用品がなくても、
少しの工夫で現場の困りごとが改善できました。
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