3Dプリンターの選び方|5年で3台買い替えて分かったこと
3Dプリンターを5年使って、いま3台目です。
最初は趣味で始めましたが、いまは療育や就労支援の現場で使う道具を作るために使っています。3Dプリンターを使った製作は47記事、このブログに記録してあります。
「どれを買えばいいか」で迷っている方に、私が何を理由に乗り換えてきたかを参考にしていただければ幸いです。
3台の比較
| 時期 | 機種 | 価格 | 造形サイズ | レベリング |
|---|---|---|---|---|
| 2021年8月 | ELEGOO Neptune 3 Pro | 2万円 | 225×225×280mm | 手動 |
| 2023年12月 | Creality Ender-3 V3 KE | 4.3万円 | 220×220×240mm | 自動 |
| 2026年2月 | Bambu Lab A1 mini | 3.98万円 | 180×180×180mm | 自動 |
造形サイズは、買い替えるたびに小さくなっています。それでも困っていません。理由は後ほど。

1台目で分かったこと
ELEGOO Neptune 3 Pro(2021年8月・約2万円)
良かったのは、この値段で大きいものが作れたことです。高さ280mmは、3台の中で今も一番あります。
困ったのは2つでした。
手動レベリングが面倒
印刷前の高さ調整を、定期的に自分でやる必要がありました。
これが地味に効きます。「ちょっと作るか」と思ったときに、調整から始めなければいけない。その一手間があると、だんだん電源を入れる回数が減ります。

2年でフレームにガタが出た
Z軸のフレームが、片側だけボールねじ・反対側はローラーの支えのみという構造でした。剛性が足りず、2年ほど使うとガタが出はじめます。

安さを取ると、精度と手間で払うことになります。ここが1台目の教訓でした。
2台目で楽になった
Creality Ender-3 V3 KE(2023年12月・約4.3万円)
自動レベリングになって、はっきり楽になりました。
印刷前の調整が要らないだけで、思い立ってから印刷開始までの距離が縮み、使用頻度もぐっと上がります。
2年2か月使って、ノズルのタッチセンサが動かないことが出てきました。エラーが出てだんまり停止…。再起動で動くこともありますが、致命的ですね。

ノズルヘッドは部品として買えました。ただ、直すより新しい機種にすることを選びました。
2年使った機械です。ここを直しても、次はほかの部品が来ると思ったからです。消耗品の交換で延命できる部分と、機械そのものの寿命は別だと考えています。
3台目にA1 mini
Bambu Lab A1 mini(2026年2月・3.98万円)
造形サイズは3台で一番小さい180mm角です。それでも選びました。
理由は、私が作るものが手のひらサイズだからです。プットイン課題、ペグ差し、PECSのてつだってカード、袋詰めの治具。福祉の現場で使う道具は、ほとんど18cm角に収まります。
実際に作って現場に届けたものです👇
福祉の支援グッズ
開封から1時間
経験者なら1時間くらいで最初の1個が出せます。
ただ、初心者の方は半日〜1日を見ておいたほうがいいと思います。小さなつまづきはYouTubeで調べると出てくることが多いです。
期待外れだった点
書くと、ほとんど期待以上でした。無理に挙げるなら2つです。
印刷前の準備に時間がかかる
高い精度を保つために、印刷前の準備をしっかりやってくれます。
その分、スタートしてから造形が始まるまで待ち時間があります。
小さいものを1個だけ出したいときは、少し長く感じます。精度と引き換えなので、欠点というより性格です。
PCとつながらなくなった
2026年6月、自宅で印刷しようとしたらPCとプリンターがつながりませんでした。「ローカル接続」に切り替えても、つながらない時があります。
プリンターを工場出荷リセットしたら復帰しました。
同じ症状が出たら、慌てずリセットを試してみてください。
失敗は10%くらい
3台使ってきて、今の失敗率は10%程度です。
| 原因 | 割合 |
|---|---|
| 接着面が反ってしまう・プレートから剥がれる | 5% |
| サポートがきれいに剥がれない・剥がそうとして造形物が壊れてしまう | 3% |
| 3Dデータの強度が足りず変形する | 2% |
10個作れば1個は失敗します。これは機種を変えてもゼロにはなりませんでした。
音と置き場所
夜に動かすことはできます。家族から苦情が出たこともありません。
ただ、同じ部屋で寝るのは無理でした。20時間かかるような大物を回す日は、部屋を分けています。
ワンルームにお住まいの方は、ここを先に考えたほうがいいと思います。
5年でかかったお金
まず本体代です。3台ぶんを並べます。
| 機種 | 価格 | |
|---|---|---|
| 1台目 | ELEGOO Neptune 3 Pro | 2万円 |
| 2台目 | Creality Ender-3 V3 KE | 4.3万円 |
| 3台目 | Bambu Lab A1 mini | 3.98万円 |
| 合計 | 5年で3台 | 10.28万円 |
5年で約10万円、ならすと年2万円です。思ったより高いか安いかは、次の数字と合わせて見てください。
次は使ったぶんのお金です。こちらはブログを始めてからの15か月ぶんの数字です。
| フィラメント | 22本(約4〜5万円) |
| 1個あたりの材料費 | 2円〜1,200円(中央値60円・47件の実測。43件が500円以下) |
| 1個あたりの印刷時間 | 中央値1時間30分(46件の実測。最短8分・最長24時間) |
フィラメントは1kgあたり、PLAが約2,000円、PETGが約2,000円、TPUが約3,500円です。
本体はまとまった出費ですが、1個作るのは60円ほどです。ここが3Dプリンターのお金の形だと思っています。
5年使い続けられた理由
「買っても使わなくなりませんか」と聞かれることがあります。
5年のあいだ、使う頻度に波はありました。ただ、押し入れにしまったことはありません。
理由ははっきりしています。作るものを、リクエストしてくれるからです。
療育や就労支援の現場で「こういうものが欲しい」と言われたものを作っています。一つ渡すと「ここをこうしてほしい」と返ってきます。その繰り返しなので、作るものが尽きません。
自分の家の困りごとだけを相手にしていたら、10個程度で終わっていたと思います。

どれを選ぶべきか
5年をひとことにすると、こうなります。
大きさや速さより先に、「操作が簡単か(自動レベリングの有無など)」を見てください。
私が1台目で電源を入れる回数が減ったのは、性能ではなく調整の手間でした。2台目で自動になって、使用頻度が増えました。
そのうえで、何を作るかで大きさを決めてください。
- 手のひらサイズの教材・治具が中心 → 18cm角で足ります
- 大きい造形物を分割せずに作りたい → もっと大きい機種を
私が実際に使っている Bambu A1 mini はこちら👇組み立てほぼ不要、初心者でもすぐ使えます。(Amazonで約4万円/セール時は約3万円)
18cm角で足りるか
47記事ぶんの製作で、サイズが足りずに工夫したのは2件だけでした。
- キャップシューターPK対決のゴール … これだけ旧式の大きいタイプを使用
- ペグ差し課題・集中ワーク教材 … 2個に分割印刷してボルトで連結する構造にしました(300㎜あるので、旧式でもムリ)
分割して連結する前提なら、18cm角でもほとんど困りません。むしろ連結にしたことで、持ち運びと収納が楽になった場面もありました。
それでも大きいプリントをしたい方には、256×256×256mmのA1という上位モデルもあります👇
まとめ
- 5年で3台。造形サイズは毎回小さくなったが、困っていない
- 1台目の教訓=安さを取ると、精度と手間で払う
- 2台目の教訓=自動レベリングで一段変わる
- 3台目=作るものに合わせて小さいのを選んだ
- 期待外れは準備の待ち時間と接続トラブル1回(リセットで復帰)
- 続いた理由は、作るもののアイデアをもらえたから



