こんにちは、作ってツナガル工房です!
今回は、支援現場の声をもとに改良した 「視覚支援スケジュール”」をご紹介します。
福祉施設やご家庭で、毎日の予定をわかりやすく伝えるために視覚支援スケジュールはよく使われています。
しかし、支援現場からはこんなお悩みも…

もし、
持ち運びやすく、準備もラクで、低コストで壊れにくい視覚支援スケジュールがあったら、支援はもっと楽になりますよね。
そこで今回のテーマがこちら👇

持ち運び簡単!100均で作る ”視覚支援スケジュール”
職員さんと一緒に、「持ち運べて、誰でも使いやすい」視覚支援スケジュールを目指して改善を進めました。
💡 この記事でわかること
ぜひ最後までご覧ください。
1. 現場の声から「視覚支援スケジュール」改善
「視覚支援スケジュール」は、作業内容を目で見て理解しやすくし、「次に何をするのか」「いつ終わるのか」を一目で確認できる支援ツールです。
日頃お世話になっている福祉施設の職員さんから、こんな相談をいただきました。
- 壁に貼るため、作業場所を移動しにくい
- 作業カードのラミネート作業に時間がかかる
- おしまいポケットが破れやすく長持ちしない
こうした課題を解決するため、使いやすさ・耐久性・低コストをテーマに、視覚支援スケジュールの改善に取り組みました。

2. 持ち運べて、簡単に使える4つの改善アイデア
(1) テープ貼り卒業!マグネット式でカード移動がスムーズに
《現状》
台紙をテープで壁に貼っているため、作業場所が変わると移動が難しい。
《改善点》
台紙をマグネットシートに変更し、冷蔵庫や金属製の棚へ貼り替えが可能に。作業場所に合わせて簡単に移動できるようにしました。
(2) 脱ラミネート!「かんたん絵カード」で作業負担を軽減
《現状》
作業カードは毎回ラミネートが必要で、時間の負担が大きかった。
《改善点》
PECSブック改善で作った「かんたん絵カード」
を再び採用します!
脱ラミネートにより紙を差し込むだけなので、作業負担が大幅に軽減できました。

(3) 壊れにくい!プラスチック製「おしまいポケット」
《現状》
終わったカードを入れる「おしまいポケット」は封筒のため、破れやすく長持ちしなかった。
《改善点》
100均のプラスチックケースに変更し耐久性を向上。さらに脱着式にしたことでカードも取り出しやすくなった。

(4) 柔軟に組み替え!3枚貼れるマジックテープ仕様
《現状》
利用者さんの中には「2つの作業を並行で行う」場面もあり、時間カード+作業カード2枚を横並びで貼りたい。
《改善点》
マジックテープの貼り付けを増やし、時間カード+作業カード2枚の計3枚を横並びに貼れるように改善。

3. 材料と工具
ここからは、視覚支援スケジュールDIYの材料と工具を紹介します。
▶ 材料は ほぼ100均で購入|材料費:485円



▶ 使用工具

4. 作り方
ここからは作り方を解説します。
▶ 絵カードの大きさは2種類
絵カードは2種類の大きさを作りました。お好みで選んでください。
幅30㎜:
全体がコンパクトにまとまります。一方で、手に持った感じは少し小さく、扱いにくいと感じる方もいます。
幅40㎜:
手に持った感じは大きくて持ちやすく、見やすいサイズです。
▶ Step1 「カードケース」を作る
- 軟質カードケースをカットする。
幅30㎜の場合:縦34㎜ x 横37㎜
幅40㎜の場合:縦44㎜ x 横47㎜ - 3辺をシーリングしケースの形にする。
シーリング幅は3㎜。
幅30㎜の場合:幅31㎜の紙を挟む
幅40㎜の場合:幅41㎜の紙を挟む - 裏面にマジックテープ(メス側)を貼る。

▶ Step2 「かんたん絵カード」を作る
- 作業の写真やイラストを用意する。
- 必要な時計のイラストを用意する。
- 幅30㎜、もしくは40㎜の大きさにカットする。
- 先ほど作ったカードケースに入れるだけ!

▶ Step3 マグネットシートカットし台紙を作る
- マグネットシートをカットする。
幅30㎜の場合:縦297㎜ x 横120㎜
幅40㎜の場合:縦297㎜ x 横150㎜ - 角をカットして安全に持てるようにする
- マジックテープは縦半分に切る。
理由:絵カード脱着時のマグネットはがれを防止するため、貼り付け力を弱くする。
幅30㎜の場合:100㎜ x 7枚作る
幅40㎜の場合:130㎜ x 6枚作る - マジックテープ(オス側)を貼る。
幅30㎜の場合:100㎜ x 7列
幅40㎜の場合:130㎜ x 6列

▶ Step4 「今の作業シート」を作る(今やる作業をわかりやすくする補助シート)
- PPシートをカットする。
幅30㎜の場合:縦35㎜ x 横120㎜
幅40㎜の場合:縦45㎜ x 横150㎜ - 角を丸くカットして安全にする。
- 表面にマジックテープ(オス側)を貼る。
マジックテープは縦半分に切る。
幅30㎜の場合:100㎜
幅40㎜の場合:130㎜ - 裏面にマジックテープ(メス側)を貼る。
幅30㎜の場合:100㎜
幅40㎜の場合:130㎜

▶ Step5 「おしまいポケット」を作る(終わった作業カードを入れるポケット)
- ケースの後ろ側にマジックテープ110㎜(メス側)を貼る。

5. 使い方と現場の反応
▶ 視覚支援スケジュールのセット方法
- マグネットシートを冷蔵庫や金属製の壁に貼る。
- 一番上に「今の作業シート」を貼る。
- 一番下に「おしまいポケット」を貼る。

▶ 視覚支援スケジュールの使い方
- その日の「作業カード」と「時間カード」を並べる。
- 今やる作業カードを「今の作業シート」に貼る。
- 完了した作業カードを「おしまいポケット」に入れる。
- その日の作業カードがなくなるまで②③を繰り返す。
完成した「視覚支援スケジュール」は冷蔵庫などの金属製の壁に「ペタッ」と貼り付け可能。
マグネット式なので、作業場所が変わっても簡単に移動できます。

※台紙は作業量に合わせて2枚、3枚と縦につなげて使用できます!

▶ 現場の職員さんや利用者さんの声

とても使いやすくなりました!
- マグネット式で移動がラクになった
- カード操作がしやすくなった
- 利用者さんが自分でカードを動かす場面が増えた
6. 改善の効果とメリット

最初は完成への不安もありましたが
改善を重ねる中で“形になっていく楽しさ”と自信につながりました✨
作ってツナガル工房では、日々の「困った」を「作って解決する」アイデアを発信しています。みなさんのリクエストも大歓迎です!
ほかにも福祉支援で役立つ工作アイデアをご覧ください。
👉 準備をラクに!100均で作るPECSブック
👉 100均で作る袋詰めホルダー



コメント