オイルタイマーの作り方|揺れるものをずっと見ていたい方へ
「揺れているものを、ずっと見ていたい」
就労支援施設のもちの木園さんから、そんな相談をいただきました。利用者さんの中には、揺れるものや落ちるものを見つづけていたい方が多いそうです。
相談が2つあったので、2種類つくりました。どちらも材料は100均とスーパーで揃います。
見ていると落ち着く
プットイン課題やペグ差しのように「手を動かす」教材はこれまでいくつも作ってきましたが、ただ見て過ごすための道具は作ったことがありませんでした。
もちの木園さんでは余暇の時間に使うとのことでした。何かを達成する道具ではなく、落ち着いて眺められる時間をつくるための道具です。
2種類つくりました
| ①キラキラが落ちる | ②水滴が落ちる | |
| ボトル | 1本 | 2本 |
| 中身 | 油+色水+飾りをたっぷり | 油+色水だけ |
| ストロー | 使わない | 40mmを2本 |
| 動き | 飾りがゆっくり落ちる | ぽたぽたとゆっくり入れ替わる |
| むずかしさ | 入れて閉めるだけ | はんだごてとグルーガンが要る |
まず①を作ってみて、物足りなければ②へ進むのがいいと思います。①は工具がいりません。
材料と費用
- 小さいペットボトル(112ml・飲み終わった空き容器)… ①は1本、②は2本
- ストロー 1本(100均・直径8mmのスムージー用)… ②のみ。40mmに切って2本使います
- 食用色素(スーパー・150円)
- キラキラした飾り(100均・スパンコールやネイル用のホログラム)… ①のみ
- サラダ油(今回は家にあったキャノーラ油を使いました)

ペットボトルは空き容器、サラダ油は家にあったものを使ったので、買い足したのは食用色素・ストロー・飾りだけでした。ストローは80本入りなので、何個作っても余ります。
②では道具を3つ使います。
- グルーガン… キャップの外周とストローを留めます
- はんだごて… 穴を開けます
- 8mmの円柱(ボルトの軸など)… 穴の形を整えます

①キラキラが落ちるタイプ
ボトル1本で完結します。穴あけもグルーガンも要りません。
水に食用色素を溶かして色水を作ります。ボトルにキラキラした飾りをたっぷり入れ、そこへ色水を注ぎ、最後にサラダ油を入れてキャップを閉めるだけです。



振って置くと、飾りが油の中をゆっくり落ちていきます。油には粘りがあるので、水だけのときのようにすぐ沈みません。ここが「ずっと見ていられる」理由です。

②水滴が落ちるタイプ
ボトル2本を口どうしでつなぎ、上下をひっくり返して使います。

キャップを背中合わせにする
キャップ2つを背面どうしで合わせ、グルーガンで外周だけを留めます。
合わせ面にグルーを付けないのがポイントです。ここに入れると隙間ができて、かえって漏れやすくなります。付けるのは側面をぐるりと一周だけにします。

ストローを40mmで2本つくる
ストロー1本を40mmの長さで2つ切り出します。買うのは1本で足ります。
はんだごてで穴を開ける
合わせたキャップに、はんだごてで穴を2つ開けます。


はんだごてを使うのは、穴を開けながらキャップの樹脂を溶かせるからです。溶けた樹脂が2つのキャップのあいだで固まって溶着するので、グルーだけで留めるより漏れにくくなります。
はんだごてで直径8mmちょうどの穴を開けるのは難しいので、開けたあとに8mmの円柱を差し込んで形を整えます。ボルトの軸などで大丈夫です。

長さを互い違いに通す
切ったストローを穴に通します。このとき2本の長さを互い違いにするのがポイントです。片方は上側へ長く、もう片方は下側へ長く出します。

直径8mmのストローがきつめに通るくらいの穴がちょうどいいです。ゆるいと液が漏れます。
通したストローは、根元をグルーで固定します。
このとき、グルーガンの先をストローに近づけすぎるとストローが溶けます。先を少し離したところから、キャップとストローの境目に流し込むようにしてください。
油7・水3で入れる
片方のボトルにサラダ油を7割、色をつけた水を3割の割合で入れます。色は向こう側が透ける程度にすると、境目と流れがよく見えます。

ストローが2本の理由
ここがこのオイルタイマーの一番のポイントです。ストローが1本だと、ほとんど流れません。

1本しかないと、上がろうとする油と落ちようとする水が同じ道でぶつかり、お互いにつかえて動けなくなります。2本にして役割を分けると、片方を油が上り、もう片方を水が下りて、ゆっくり流れ続けます。
長さを互い違いにするのも同じ理由です。2本の入口が同じ高さにあると、どちらの道にも同じ液が入ってしまいます。片方の口を油の層に、もう片方の口を水の層に置くことで、道が分かれます。
油を下にすると動き出す
使うときは、油が入っている方を下にして置きます。

油は軽いので上へ行こうとします。下に置くと、油が片方のストローを上って行き、入れ替わりに水がもう片方を下りてきます。ぽたぽたと、ゆっくり入れ替わり続けます。
水の方を下にすると、すでに落ち着いた状態なので動きません。ひっくり返す向きで動き出すのが、この形のおもしろいところです。
渡してみて
もちの木園さんにお渡ししたところ、とても喜んでいただけました。いまは余暇の時間に使われています。
作ってみて分かったのは、色と飾りを選ぶところが一番楽しいということでした。中身を変えれば見え方が変わるので、その方の好みに合わせて作り分けられます。
安全のための注意
※中身はサラダ油と水です。キャップははんだごてで溶着させ、外周をグルーガンで留めていますが、強くぶつけたり落としたりすると漏れることがあります。口に入れる可能性がある方には使用せず、必ず大人が見守る環境で使ってください。
ペットボトルは割れにくい素材ですが、絶対に割れないわけではありません。ふちが欠けた容器は使わないでください。
まとめ
- 材料は100均とスーパーで揃います
- ①はボトル1本で工具なし。②はボトル2本で、はんだごてとグルーガンが要ります
- ②の穴あけははんだごて。樹脂が溶けてキャップどうしが溶着し、漏れにくくなります
- ②でストローが2本要るのは、油が上る道と水が下りる道を分けるため
手を動かす教材とは別に、ただ眺めて過ごすための道具も現場では求められていました。
施設でグッズづくりが間に合わない方へ
「うちの事業所でも3Dプリンターを入れられますか」と聞かれることが増えました。何が作れて何が作れないか、材料費と印刷時間の実測値をまとめています👇


