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ペンが持てない方の自助具|握らずに書けるペンホルダーDIY

握らなくてもペンが持てる自助具を紹介するアイキャッチ画像。青いリングを親指と人差し指に通してペンを持っている手の写真つき
作ってツナガル工房
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絵を描きたい。でもペンが持てない

生活介護の事業所の職員さんから、そんな相談をいただいて作った自助具が「ペンもちサポート」です。

握力がなくても、指が変形していても、指を2本通すだけでペンが持てます。3Dプリンターで作れて、ペンは付け替えられます。

材料費は1個6〜10円。印刷は40〜48分です。素材はPLA(一般的なフィラメント)で、特別なものは使っていません。

困りごとから解決までを3コマで示した図解。1コマ目「ペンが握れない」は開いた手のひらからペンが落ちている絵。2コマ目「指を通す輪をつけた」は輪が2つ並び、下にペンを挟むクリップが付いた青い器具。3コマ目「握らずに書ける」は青い器具の輪に指を2本通してペンを持ち、紙に青い線を引いている手。下の帯に「指を2本通すだけ。材料費6円、印刷40分。」

握らずにペンを持てる仕組み

この道具は、ペンを「握る」のではなく「指に引っかける」形にしています。

指を2本通すだけで固定

本体に2つのリングがあり、そこに指を通します。薬指と小指、または人差し指と親指——手の状態に合うほうを選べます。

握る力はいりません。指を通した時点で、ペンは手についてきます。

青いホルダーを親指と人差し指に通して、サインペンを持っている手の写真
青いホルダーを薬指と小指に通して、サインペンを持っている手の写真

ペンははめ替えられる

ペンは本体にカチッとはめる方式です。インクが切れても、ペンだけ交換できます。色を変えたいときも同じです。

実際に書いているところです。握らなくても、線が引けます

こんな方に向いています

このペンホルダーで実際に想定しているのは、次のような方です。

  • ペンを握る力が出にくい方
  • 指が変形して、ペンを握る形が作れない方
  • 短い時間なら持てるけれど、続けると疲れてしまう方

⚠️ 自助具の大きさは、指のサイズに合わせて製作します。

依頼から形が変わるまで

この道具は、最初から今の形だったわけではありません。

最初は手に巻く案だった

職員さんからいただいた最初のイメージはこちらです。

職員さんから提供された、ペンを持つための補助具のイメージ図。

ペンをポリエチレンフォームで包み、マジックテープで手の甲に留める案でした。

指に通す形に変えた理由

最初の案といまの形を左右で比べた図解。左の「最初の案」は①ペンをフォームで包む、②手の甲に当てる、③マジックテープで留めるの3工程で、下に「手を動かす工程が3つ」。右の「いまの形」は①指を2本通すの1工程だけで、下に「工程は1つ」。右にはリングに指を2本通してペンを持つ手の線画。下の帯に「目的は『固定すること』ではなく『絵が描けること』。」

いただいたイメージを、そのまま形にはしませんでした。まず「やりたいことは何か」を整理し直しました
目的は「ペンを手に固定すること」ではなく、「絵を描けること」です。

そう考えると、巻いて留める方式は着けるまでに手の動きが必要で、目的の手前に工程がもう1つ増えます。

そこで「指を通すだけ」にしました。動作が1つで済みます。

足りない分は後から足す

進め方としては、まず目的を達成できる最もシンプルな形にして、使ってもらい、足りない部分を足していきます

最初から全部を盛り込むと、合わない部分がどこなのか分からなくなります。シンプルなほうが、直す場所がはっきりします

いまの形がこれです。指を通すリング2つと、ペンをはめるクリップだけ。青がペンの細いほう、赤が太いほうで、形の違いは指の位置です。

3Dプリンターで製作した、ペンを持つための補助具の写真

作り方

用意するもの

材料はPLAフィラメントだけです。1個あたり10円。ネジも接着剤も使いません。

今回はよく使う2種類のペンに合わせて作っていきます。

軸の細いサインペンと、太めのカラー筆ペンを並べた写真

サイズの決め方

まず、使うペンの軸をノギスで測ります

ノギスを使ってペンの直径を測定している様子

🔴 ここがいちばん大事なところです。穴は、測ったペンより1mm小さく作ります。

肉厚を1mmにしてあるので、少したわみます。そのたわみでペンを挟んでいます。ぴったりの穴だとゆるくて落ちますし、厚くするとたわまなくなって入りません。

今回のペンは細いほうがΦ11、太いほうがΦ13でした。なので穴はΦ10とΦ12にしています。

指を通すリングは、親指・人差し指用がΦ26、薬指・小指用がΦ22です。合わせて4種類になります。

指の位置ペンの太さ材料費印刷
親指・人差し指Φ1110円46分
薬指・小指Φ116円40分
親指・人差し指Φ1310円48分
薬指・小指Φ136円40分

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スライサー設定

標準の設定から変えているのは、3つだけです。

  1. 斜めにしてプリントする(割れにくい積層にするため)
  2. プリセットは「0.16mm High Quality」を選ぶ(薄い形なので)
  3. サポートを有効にする(斜めに置くと浮く面ができるため)
ペンもちサポートのスライサー設定画面

よくある質問

3Dプリンターは必要?

この道具は3Dプリンターで作っています。
施設でグッズづくりが間に合わない方へ
「うちの事業所でも3Dプリンターを入れられますか」と聞かれることが増えました。何が作れて何が作れないか、材料費と印刷時間の実測値をまとめています👇

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どんなペンで使える?

今回作ったのは2種類です。細いほうが軸の直径Φ11、太いほうがΦ13のペンに合わせました。
お使いのペンの軸をノギスで測って、近いほうを選んでください。他の太さでも、穴の寸法を変えれば同じように作れます

まだ現場で使っていただいている最中です。使用感を伺えたら、この記事に追記します。

みなさんのリクエストも大歓迎です!

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ひろ|作ってツナガル工房
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現場の「困った」をカタチにする工房主
福祉現場と家庭の「困った」を、手作りで解決するDIYを発信中。100均素材と3Dプリンターで、誰でも作れる実用グッズを紹介しています。
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