本物と偽物を大きさで見分ける練習ツールDIY

snack-size-discrimination 【支援ツール工作】

こんにちは、作ってツナガル工房です。
支援や訓練の現場で生まれたアイデアを紹介しています。

今回は「本物と偽物を見分ける訓練」について、ご相談をいただきました。

利用者さんが食べ物が欲しい時、大きさの違いを伝えたり、本物かどうか理解することが難しい場合があります。

  • 本物とそっくりな物があると、区別がつきにくい
  • つい大きいものを選んでしまう

こうした悩みは、福祉施設やご家庭での支援・訓練の中でも、よく聞かれます。

本物と偽物のお菓子で迷う子どものイラスト

たとえば、

  • 小さい=本物(食べられる)
  • 大きい=そっくりだけど偽物(食べられない)

という選択肢を用意し、

「正しい大きさ」を選び、言葉で伝えられたとき、そのまま本物のお菓子を食べる体験に繋げます。
⇨「大きい」「小さい」を理解し、欲しい気持ちを正しく伝えられる。それが、この訓練のゴールです。

そこで今回挑戦するのが

工房
工房

お菓子サンプルを
3Dプリンターで製作

このお菓子サンプルは、福祉施設の職員さんからの依頼され、現場の声をもとに作りました。

実際の支援現場で取り入れた事例をご紹介します。

1. 目的|本物と偽物を見分ける訓練

利用者さんの中には、「大きい/小さい」「多い/少ない」といった判断に、訓練が必要な方がいます。

今回は「大きい/小さい」を理解することで、本物と偽物を見分ける訓練をします。

工房では3Dプリンターで本物より大きなサンプルを作って訓練に活用。

見た目で「偽物」とわかるよう、まずは2倍の大きさにしました。
(写真左が本物、右がサンプル)

ポッキーの本物と大型サンプルの比較
かっぱえびせんの本物と大型サンプルの比較
リッツの本物と大型サンプルの比較

2. 材料と機材|お菓子サンプル

ここではお菓子サンプルの材料と機材を紹介。

3Dプリンター

  • 3Dプリンター:CREALITY Ender-3 V3 KEを使ってます
  • フィラメントPLA

■フィラメントの種類(選び方の参考)
PLA:安価で扱いやすい。日常使用には十分
PETG:強度と柔軟性あり、長期使用おすすめ
ABS:耐熱性に優れるが、出力難易度が高い
TPU:柔らかく、柔軟性、衝撃吸収性がある

3Dプリンターとフィラメント収納ボックスの写真

設計・スライス用ソフト

※ダウンロードは公式サイトから行えます。
※ソフトの利用規約に沿ってご利用ください。

3D設計ソフト(FreeCAD / Fusion360)と、スライサーソフト(Creality Print)のダウンロード画面をまとめたイメージです。用途に合わせて選べます。

仕上げ用工具・その他

  • 採寸用:ノギス
  • バリ取り用:ニッパー
  • 塗装スプレー:DCM水性マルチホビースプレー:グロスチョコレート

3. 作り方|お菓子サンプル

ここではお菓子サンプルの作り方を解説。

Step1 設計手順とポイント

  • お菓子のサイズを採寸
  • 各辺の寸法を2倍にしてCAD作図
  • ポッキーはチョコの部分を少し太くする
  • かっぱえびせんはひねりと湾曲形状に
  • リッツの形状は円形でシンプルですが、外周のギザギザと表面の穴を再現しています。
お菓子サンプルのCAD図

Step2 スライサー設定とポイント

  • 材料:PLA
  • ノズル径:0.4mm
  • レイヤー高さ:0.2mm
  • 初期レイヤー高さ:0.25mm(少し増量)
    ※初期レイヤーの定着が安定します。
  • 充填率:15%
    ※低いように思いますが、意外と強度は十分です。
  • 印刷速度:100mm/s程度
    ※奇麗にプリントしたい場合は速度をゆっくりにする。
  • サポート:あり
  • ビルドプレート:ブリム
スライサーソフトでの、サポート・ブリムを設定したようす

🎁 STLデータの無料配布はこちら

👉 ポッキーのSTLデータをダウンロード
👉 かっぱえびせんのSTLデータをダウンロード
👉 リッツのSTLデータをダウンロード

※再配布・商用利用はご遠慮ください。個人利用の範囲でご活用ください。

💰 印刷コストの目安

  • ポッキー:
    プリント時間:1時間49分/1個
    フィラメント使用量:13g
    材料費:26円/1個
  • かっぱえびせん:
    プリント時間:43分/1個
    フィラメント使用量:12g/1個
    材料費:24円/1個
  • リッツ:
    プリント時間:1時間21分/1個
    フィラメント使用量:28g
    材料費:56円/1個

Step3 スプレー塗装

ポッキーのチョコ部分はスプレー塗装しました。

  • ポッキーの持ち手部分をテープで保護
  • 屋外でスプレー塗装
  • ポッキーのチョコ側を下にして、1日ほど干す
ポッキーサンプルをスプレー塗装している様子

4. お菓子サンプル紹介

大きさは、はっきり違いが分かるよう、各辺2倍で作っています。

▶ ポッキー

ポッキーのサンプルを作りました。
(写真左が本物/右がサンプル)

チョコレートの部分はスプレー塗装しました。

ポッキーの本物と大型サンプルの比較

▶ かっぱえびせん

ポッキーのサンプルを作りました。
(写真左が本物/右がサンプル)

ひねりと湾曲した形状が特徴的。

かっぱえびせんの本物と大型サンプルの比較

▶ リッツ

リッツのサンプルを作りました。
(写真左が本物/右がサンプル)

形状は円形でシンプルですが、外周のギザギザと表面の穴を再現しています。

リッツの本物と大型サンプルの比較

5. 使い方のポイント

お菓子の形状や色のバリエーションを増やしながら、段階的に訓練を進めます。

最初は大きさも、はっきりわかる違いから始め、徐々に違いを小さくするのも良いでしょう。

6. まとめ|本物を見分ける力を、少しずつ育てる

本物と偽物を見分ける力や、「大きい・小さい」を理解することは、体験を通して少しずつ育っていきます。

お菓子サンプルを使い、分かりやすい違いから段階的に進めることで、欲しい気持ちを言葉で伝える練習につながります。

支援現場の考え方を、家庭でも取り入れやすい形でまとめました。

工房
工房

「まずは1つ試してみる」くらいの気持ちで、取り入れてみてください。

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