こんにちは
作ってツナガル工房です!
今回は福祉支援施設の職員さんの相談から始まりました。

発達に特性のある子に合う教材が、なかなか見つからない…
- 利用者さんの集中力が続かない…
- 市販の教材は高額で買うのをためらってしまう…
- 利用者さんに合うか?実際に購入して使ってみないとわからない…
そんな支援現場の声をきっかけに

3Dプリンターでオリジナル知育パズルを作ってみよう!
というチャレンジが始まりました。
形・色・触感を組み合わせたこの教材は、感覚遊びや認識力の支援にぴったり。
実際に支援現場や親子の遊びで使ってみると、子どもたちは「もっとやりたい!」と繰り返し挑戦し、楽しみながら集中してくれる姿を見せてくれました。
この記事では、悩みの解決策としての自作パズルの作り方・工夫・効果を詳しく解説します。
読むことで、
- 「自分でも教材を作れる」という自信
- 特性を持った方、子どもの成長を支援できる具体的なヒント
を感じてもらえたら幸いです。
1.3Dプリンターで作る、オリジナルの知育パズル教材
福祉支援施設の職員さんから

- 指先を使った遊びで集中力を育てたい
- 市販の教材は高額で手が出しにくい
- 利用者さんに合う教材がなかなか見つからない

3Dプリンターで作ってみましょう!
- 素材にはやわらかくて安全な**TPUフィラメント**を採用
- 色は はっきりとした色を選択
- 複数の色を掛け合わせる
2.知育パズルを作るために 必要な材料と準備
今回使用したのは以下の材料と道具です。
- 3Dプリンター(Ender-3 V3 KE)
- TPUフィラメント(やわらかい樹脂素材)
- 設計用CADソフト(FreeCAD、Fusion360など、無料ソフトがおすすめ)
- スライサーソフト(Creality Print)
- ニッパー(バリ、糸引き部分の処理)

TPU素材を選んだ理由は「安全性」と「やわらかさ」
子どもが誤って踏んでも壊れにくく、角も丸く仕上がるので安心して遊べます
3.作り方のステップ
(1)パズル設計とデザイン
- 丸・三角・四角・星など基本形をCADで設計
- 職員さん、利用者さんの意見を聞き、2~3cm の大きさに設定
(2)スライサー設定のコツ
- 材料:TPU(柔らかい)
- ノズル径:0.4mm
- レイヤー高さ:0.2mm
- 初期レイヤー高さ:0.25mm(少し増量)
※初期レイヤーの定着が安定します - 充填率:15%
※低いように思いますが、意外と強度は十分です - 印刷速度:50mm/s程度
※TPUは少し遅くすることでプリントが安定
※奇麗にプリントしたい場合は速度をゆっくりにする - サポート材:なし
(3)印刷および仕上げ
- サポート材をなくすため、プリント方向に注意(筒状に立てる感じ)
- 2色構造なので、プリント途中でフィラメント交換を実施
- バリ、糸引き部分をニッパーできれいに処理
(4)はまり具合の調整
- 完成したパズルのはまり具合を確認
- 《調整がいる場合》スライサーソフトで大きさを変更してプリント
ゆるい ⇨ ピースを大きくする(例:101%)
きつい ⇨ ピース小さくする(例:99%) - はまり具合が良ければ完成!
4.パズルの構成と工夫:難易度・形・色で遊びながら学ぶ
このパズルは、以下のような特徴があります
特徴 | 内容 |
---|---|
形の種類 | 丸・三角・四角・星・花形など全9種類 |
色のバリエーション | 赤・青・黄の3色 |
両面構造 | 表と裏で異なる色を採用 |
組み合わせパターン | 9種 × 3色 × 2面 = 54通り |

工夫ポイント
✅観察力を養う仕掛け:同じ形でも色が違う → 注意深く観察する力が育つ
✅パーツごとに微妙な触感の違いをつけることで、指先の感覚も刺激!
✅応用遊び:色合わせ・形合わせ・自由な組み合わせで「正解のない遊び」に発展
※ピースが小さいため、誤飲防止の観点から対象年齢は6歳以上(小学生〜) を推奨しています。


5.知育パズルを実際に遊んだ利用者さんの反応
支援の現場で試したところ、こんな反応がありました

- 「どこに入るのかな?」とじっくり考える姿
- 「ハマった!」と笑顔になる瞬間
- 同じ色を揃えて「できた!」と達成感を味わう
- 自分なりに形を並べ替えて創造的な遊びに発展

6.知育効果と発達支援の視点:観察力・集中力・器用さを育てる学び
このパズルを通して感じたのは、**「利用者さん・子どもに合った教材は作れる!」**ということ。
形・色・向きの3要素を使うことで、以下の力を自然に育てることができます。
- 観察力(形や色の違いに気づく力)
- 集中力(試行錯誤を繰り返す力)
- 手指の器用さ(差し込みや裏返し動作で器用さを育てる)
- 触覚・感覚認識(手ざわりの違いで五感を刺激)

さらに「家庭や教育現場」でも、教材として有効性が高いと感じました。
既製品に比べて柔軟にカスタマイズできるため、一人ひとりの特性に合わせやすい点が大きな強みです。
7.応用例と発展アイデア:福祉施設・家庭・学校での活用法
- 難易度調整:枠の大きさを変えてチャレンジレベルを上げる
- 学習要素の追加:形の名前・色の英単語を学べるカードを添える
- 一緒にDIY:本人に色や形を選ばせて一緒に設計する

「教材」だけでなく「親子のコミュニケーションツール」としても活用できます!
8.まとめ:3DパズルDIYで育てる子どもの力と作る喜び
今回の体験から感じたのは、「利用者さん・子どもに合った教材は作れる」 ということ。
3Dプリンターを活用すれば、
- コストを抑えつつ
- 個人に合わせた教材を
- 一緒に楽しく作れる
という大きなメリットがあります。

「教材は買うもの」という固定観念を超えて、作る楽しさがツナガルちからになることを、この記事を通じて伝えたいと思います。
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